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ピンチを救ったチョン戦「恵みの雨」。
錦織圭は半日で何を変えたのか (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 総計3時間51分に及んだ熱戦は、最後はチョン・ヒョンのダブルフォルトで終止符が打たれる。観客のため息が交じる結末は、錦織がリターンでかけ続けた圧力を象徴する幕引きでもあった。

 厳しい試合だったのは、間違いない。それでも「運も使いながら気持ちを切り替えられたことが、次につながった」と、錦織はポジティブに捉える。

 元全仏オープン王者であり、ラファエル・ナダルの現コーチであるカルロス・モヤは、「真にいい選手とは、悪いプレーのときでも勝てる人だ」と言った。そのような試合が自信となり、大会を勝ち上がるうえでのターニングポイントにもなるのだと......。

「こういう試合を勝ち上がったことは、自信にもなる」

 奇しくも錦織は、試合後にそう言った。

 リターンを重視し、文字どおり窮地からの「帰還」を果たしたこの試合が、今大会のひとつのターニングポイントになると信じたい。

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