錦織圭も下位選手の餌食に。次戦マイアミは「全仏」に向けて正念場だ (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 キリオスの棄権によってもうひとつの男子準々決勝がなくなり、好ゲームへの期待が高まった錦織対ソック戦は、どちらもミスの多い立ち上がりとなる。スタジアムを巻くように吹く強風も、両者のプレーから安定感を奪っていた。

 その落ち着きを欠いた攻防から、先に抜け出したのはソックである。第2ゲームでブレークを許した錦織は、以降は相手の4度のサービスゲームで3ポイントしか奪えない。

 特に錦織が手を焼いたのが、戦前から警戒していた高く跳ねるキックサーブ。第1セットのソックは、ファーストサーブの確率こそ51%と低かったが、セカンドサーブでのポイント獲得率が85%でファーストサーブのそれを上回った。そのセカンドサーブの大半でソックはキックサーブを打ち、ファーストサーブでも時にスピンサーブを混ぜてくる。

「サーブに対応しきれなかったのが、一番大きい」。錦織も認める、苦戦の最大の理由だった。

 第2セットは、2度のブレークに成功して奪い返した錦織だが、相手のサーブを攻略できたという感触はなかったようだ。

「2セット目も相手がくれたようなものだったので、リズムを掴むのが難しかった」という錦織に対し、ソックは第2セット終了時にトイレットブレークを取り、シンプルに「集中力を高め、ふたたび攻撃的にいき、自分のベストのプレーをする」ことに意識を集中させた。

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