錦織圭も下位選手の餌食に。次戦マイアミは「全仏」に向けて正念場だ

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 第1シードのアンディ・マリー(イギリス)は2回戦で129位のバセク・ポシュピシル(カナダ)に敗れ、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)も4回戦でニック・キリオス(オーストラリア)の猛攻の前に姿を消す。ひとつの波乱はドロー全体の均衡を揺るがして、準々決勝4試合のひとつは第21シードvs.第27シードの顔合わせともなった。

相手のキックサーブに苦しみ、錦織圭は準決勝進出を阻まれた相手のキックサーブに苦しみ、錦織圭は準決勝進出を阻まれた その混線模様のなか、ベスト8まで勝ち上がってきた世界ランキング18位のジャック・ソック(アメリカ)は、今季に入ってすでに2大会で優勝するなど、もっとも脂の乗っている選手のひとり。現在トップ10選手に3連勝中でもあり、191cm・84kgの屈強な身体に自信と実績を着実に収めつつあった。

 そのソックを錦織圭は「やりにくい相手。このサーフェスでは、彼の速いキックサーブもフォアも弾む」と警戒し、「彼との対戦では、やらなくてはいけないことはたくさんある」のだと言った。

 一方のソックには、錦織戦でやるべきことは明確化されていた。

「自分のプレーを貫くことが、勝利の可能性を高める最良の方法。攻撃的にいく。重いフォアハンドを打ち、チャンスがあれば前に出る」

 世界5位に挑む挑戦者には、迷いも、戦術を隠すこともなかった。

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