錦織も気をつけて。全豪でジョコビッチが117位に敗れる大波乱の背景 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 こう試合を振り返ったジョコビッチが、全豪で早期敗退するのは2006年大会の1回戦以来で、当時はまだ18歳だった。また、グランドスラムでの2回戦敗退は2008年ウインブルドン以来となった。ジョコビッチは全豪マッチ58勝を挙げている。これは、オープン化(プロ解禁)以降では史上2位の記録で、大会との相性がよかっただけに、この敗戦のインパクトは大きい。

「オーストラリアンオープンの2回戦で負けることはめったにないこと。メルボルンでは、いつもすごくいいプレーができていたし、ここ10年で6回のタイトルを勝ち取ったんだからね。もちろんがっかりしているけど、この事実を受け止めなければいけない」

 この敗戦は、アンディ・マリー(1位、イギリス)との"2強時代"に終止符が打たれるきっかけとなるのか? それを判断するには、もう少し時間をかけるべきだろう。

 ジョコビッチは2016年ローランギャロス(全仏)テニスで初優勝して、キャリアグランドスラム(テニス4大メジャー全制覇)を達成以降、やや精彩を欠いた時期が確かにあった。2014年シーズンからツアーをともにしていたボリス・ベッカーコーチとの師弟関係も、2016年12月をもって終了した。そして、今は新たなモチベーションを模索している。

「もしナンバーワンに戻れたら、もちろん素晴らしいけど、それが一番の優先順位ではない」(ジョコビッチ)

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