ロディック、ヒンギスが語る「錦織圭がグランドスラム制覇する条件」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 今年も錦織は12月2~4日にさいたまスーパーアリーナで開催されたインターナショナル・プレミア・テニス・リーグ(以下IPTL)に2年連続で参戦し、ATPテニスツアーの公式戦とは違った楽しい雰囲気の中で、日本のファンにテニスを披露した。

 その中で、IPTL初参戦のマルチナ・ヒンギス(スイス)は、「男子テニスについて、私が言うのはおこがましいかもしれませんが」と前置きしながら、錦織について次のように語った。

「ロンドンの試合(ATPワールドツアーファイナルズ)を見て、(ノバク・)ジョコビッチ(2位)や(アンディ・)マリー(1位)が非常に安定している分、錦織には大きな武器が必要なんじゃないかと思います」

 ヒンギスは1990年代後半に大活躍し、グランドスラムのシングルスで5回優勝し、世界ナンバーワンに輝いた。2002年(2006年に復帰)、2007年と2度戦列を離れたが、2013年7月にダブルスで再び復帰。女子ダブルスで世界1位に返り咲き、ミックスダブルスではキャリアグランドスラム(4大メジャー全制覇)を達成し、今も非凡な才能を見せつけている。そんなヒンギスが錦織に注文をつける。

「錦織は非常に速いですし、他の選手よりショットが安定している分、あるレベルまではいけますけど、ジョコビッチやマリーといったトップ選手を上回るには、サーブでもっとフリーポイントが必要ですし、武器が間違いなく必要でしょう」

 実は、今年のATPワールドツアーファイナルズで、3時間20分の激闘の末、錦織を破った新王者マリーも「自分のサーブで、いくつかフリーポイントを取れたのが、助けになった」と吐露していた。

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