錦織圭がマリー、ジョコを越えるために「やるべきことはわかっている」 (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 錦織の長年の悲願であるグランドスラム初優勝を考える時、上位4シードに入っておくことは大切なポイントになる。現在の2強であるマリーとジョコビッチと準決勝まで対戦しないで済むのは、錦織にとってアドバンテージになるはずだ。次世代の若手選手たちも実力をつけてきている中、錦織は来季の早い時期に4位以内に入って、初優勝を目指すための基盤を築いておきたいところだ。

「自分で言うのもあれですけど、次に4位や3位に入れる能力はあると思います。そこに行くには、自分がトレーニングを積んで、しっかり練習すれば可能だと思う。来年、再来年とどんどん変わっていくと思う。なるべく上の方に自分がいられるようにしたいです」

 ワールドツアーファイナルズで初優勝して、初めて年間ナンバーワンになった29歳のマリーは"マリー時代"は訪れないと控え目に語る。

「できるだけ今回のような成績を目指してトライするけど、永遠なんてない。30代半ばになって、今のレベルでプレーできるとは思わないし、たくさんの試合ができるとも思わない」

 ジョコビッチも「永遠なんてあり得ない」と口をそろえるように、時代は、確実に流れている。2017年シーズンには、34歳のロジャー・フェデラー(16位)や30歳のナダル(9位)もツアーに復帰して、ツアーをおもしろくしてくれるだろう。新旧ライバル達との競争がますます激しくなる中で、錦織はまもなく27歳になり、来季にはプロ転向10周年を迎える。節目となるシーズンに悲願のグランドスラム初優勝を実現できるかどうか、まさに正念場となる。

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