2夜連続の失速。なぜ錦織圭は後味の悪いシーズン終幕となったか (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 それは今日の試合だけでなく、ほぼ完璧な内容で第1セットを奪いながらも2セット目以降に崩れて敗れた、前日のマリン・チリッチ(クロアチア)戦から引きずっている流れでもあった。

 この日のジョコビッチ戦でも錦織は、第2ゲームで彼らしい攻めを見せながらも2度のゲームポイントを逃し、3度のデュースの末に最後はダブルフォールトでブレークを許す。また、自身のサービスゲームでは、ジョコビッチの鋭いリターンに押されてストローク戦で後手に回った。第2セットではなんとか突破口を見つけるべく攻めに出るも、厳しいコースに打ち込めば打ち込むほどに、逆にジョコビッチは角度をつけたカウンターで打ち返してくる。完全に主導権を掌握したジョコビッチの前に、錦織は攻め手を失った。

 前夜のチリッチ戦から始まった突然の失速の理由を、錦織は次のように分析する。

「昨日に関していえば、9割方、自分のせいなので......。メンタル的にも(ボールを)置きにいったというか、攻めなかったのが原因。ほぼメンタル的なところだと思います」

 自ら攻めるのではなく、相手のミスを待つかのようなプレーを選び敗れたことが、今日の試合にも「すごく影響したと思う」と彼は言った。

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