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わき腹痛、過密日程......
ギリギリの錦織圭が宿敵ジョコビッチに挑む (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 ましてやその中でRR2戦目、"フルパワー錦織"で戦い3時間20分におよんだマリー戦。1日空いたとはいえ錦織の体力が回復しきってなくても何ら不思議ではない。

 実際、チリッチ戦の第2セット第5ゲームあたりから、錦織は変調をきたし、グラウンドストロークのスウィングがシャープでなくなり、ファーストサーブのスピードも明らかに落ちて時速100km台前半になった。  

 トレーナーを呼んで治療することはなかったものの、第2セット第7ゲームの後には、錦織が自分で左わき腹をマッサージするような場面も見られた。

 また、錦織対チリッチのRR最終試合には、RR特有の難しさが含まれていたように思われる。「特には考えていなかったですね」と錦織は振り返り、目の前のプレーに集中したことを強調したが、ランキングや準決勝のことが果たして無関係であったと言い切れるだろうか。

 錦織はRRでもう1勝して、200点を獲得することで、ランキングアップの足掛かりを築いておくことも大切だった。11月18日時点で、RR敗退が決まったワウリンカのランキングポイントが5315点。ツアーファイナルズで初めてベスト4進出を決めたミロシュ・ラオニッチ(4位)は5450点。錦織は4905点のままで、準決勝に勝って400点を獲得しても2人には届かない状況となり、今シーズンでのランキングアップを果たすには優勝するしかなくなった。

 逆にチリッチはRR敗退が決まっていたが、モチベーションを維持して錦織を破り、自己最高ランキングの6位をたぐり寄せた。

 第2シードのノバク・ジョコビッチ(2位)との準決勝は大会7日目、11月19日20時(ロンドン時間)からに決まっていた。錦織は連日の試合になり、体力の回復にかける時間が少ないのはわかっていた。だから、チリッチ戦で無理をする必要はなかった。

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