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フェデラー、ナダルのいない
ツアーファイナルズを彩る、新たなスター (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 その一番手に挙がるミロシュ・ラオニッチ(4位)は、2年ぶりに2回目の出場権を獲得した。昨シーズンはケガに泣かされたが、今シーズンからは、元世界ナンバーワン、1998年のローランギャロス優勝者のカルロス・モヤをコーチに招聘した。

 ラオニッチの最大の武器である高速サーブを活かして、ネットプレーにつなげる戦術を強化したが、それがすぐに功を奏して、1月のオーストラリアンオープンで初めてベスト4に進出。"レジェンドコーチ"を起用した効果は顕著に表れた。

 さらに、グラス(天然芝)シーズン限定で、元世界ナンバーワンで、グランドスラムで7回優勝したジョン・マッケンローをコーチに招いた。この起用も当たり、ウインブルドンでは準優勝に輝いた。

「(ウインブルドン準優勝は)素晴らしかった。過去2度のグランドスラムの準決勝では、苦汁をなめさせられたけど、やっとステップアップできた」

 このように振り返ったラオニッチは、ウインブルドンでは、かつてないほど感情を表にさらけ出して戦い、勝利への執念を見せた。

「僕はガッツを見せたし、気力を見せた。今後の大会で活かさなければいけない」

 昨年末に述べていた逆襲宣言を見事成し遂げたラオニッチだが、直近のマスターズ1000・パリ大会では右足筋肉の負傷によって準決勝を棄権したため、その回復具合が気になるところだ。

 マリン・チリッチ(7位)も、2年ぶり2度目の出場となる。2014年USオープンの決勝で錦織を破った相手として記憶している人が多いだろうが、先月のATPバーゼル大会決勝でも、またもや錦織を破った。やはり2人の因縁はこれからも続いていきそうだ。

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