錦織圭、「中国に立ち向かった卓球・水谷のように」宿敵マリーに挑む (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi



 錦織はリオデジャネイロオリンピックで、卓球の水谷隼が個人戦で銅メダル、団体戦で銀メダルを獲得したシーンが印象に残っているという。水谷とは2008年北京オリンピックの選手村で相部屋になった。

「(水谷くん)かっこよかったですね。もちろん団体も見ていましたし、個人の3位決定戦もすごく見ごたえのある試合でした。最後、(団体戦の)中国にあれだけ攻め入って、彼自身1勝をして、すごくかっこいいなと感じました」

 リオの団体決勝で、卓球王国の中国に果敢に立ち向かって一矢を報いた水谷に、錦織は今シーズンのツアーを支配するノバク・ジョコビッチ(1位)、そしてマリーと対峙する自分の姿を重ね合わせて、大きな刺激を受けている。

「卓球の歴史はわからないですけど、中国という一番強い国に対して、あの大きな場面で、(水谷は)中国に勝ったりできる才能を持っている選手だと思う。僕も同じで、ジョコがいて、マリーがいて、上の選手にあれだけ強い気持ちで切りかかっていくというのは、簡単なことではないです」

 錦織の悲願であるグランドスラム初制覇をするために、やはりマリーは避けては通れない難関だが、もし突破できれば逆に道が開ける。

「体力的に問題なく、自信をもって迎えられる試合なので、楽しみ。なるべく強い気持ちをもって向かっていきたいですね」

 錦織にとって大一番となるマリー戦は、今持っている力を最大限にぶつけなければならない真価を問われる戦いになる。

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