全豪ベスト32の大坂なおみは、どこまでランキングを上げるか (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 日比野は初の全豪本戦ストレートインを果たし、念願のグランドスラムデビューとなった。1回戦では、いきなり日比野のアイドルである第5シードのマリア・シャラポワ(5位、ロシア)と対戦したが、1-6、3-6で敗れ、初出場を勝利で飾ることはできなかった。

「(シャラポワは)体全部で押してくるように前のめりで、私のコートにまで入ってきそうな感じでした。デビュー戦でしたが、欲を言えば勝ちたかったです。昨年からWTAツアーには参戦しているけど、トップ10選手と対戦することはなかったので、やれたことが私にとっては大きくて、いい経験になりました」

 そしてもうひとり、大坂は厳しい予選3試合をすべてストレートで勝利して、全豪初出場を果たすと同時に、18歳でグランドスラムデビューを飾った。1回戦では、ドナ・ベキッチ(104位、クロアチア)を6-3、6-2で破り、見事初出場で初勝利。最高時速195kmのサーブを打ち込み、初出場とは思えないような落ち着いたプレーを見せた。

 さらに2回戦で、第18シードのエリナ・スビトリナ(21位、ウクライナ)を6-4、6-4で破るアップセット(番狂わせ)を演じた。サーブだけでなく、もうひとつの武器であるフォアハンドストロークでも21本のウィナーを打ち込んだ。また、フォアスライスを使ったディフェンスをうまく使ったり、サーブを緩急つけて打ち分け、相手のリターンミスを誘うなど、非凡な才能だけでなく、1戦1戦強くなっていくような学習能力の高さもうかがえた。

 3回戦では、全豪で2回優勝した、第14シードのビクトリア・アザレンカ(16位、ベラルーシ)に1-6、1-6で敗れた。試合は、全豪のセンターコートであるロッド・レーバーアリーナで行われたが、予選から数えて6試合目の大坂は、腹筋を痛めたため、パワフルなサーブやフォアハンドストロークを打つことができなかった。

「正直、彼女(アザレンカ)が私を負かして、ちょっとよかった。この試合から、まだまだたくさん学ぶことがあるし、よい経験でした」

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