錦織圭が今季最終戦で見せた2016年への「希望」と「課題」 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「フレンチオープンで初めてベスト8に入ったのは、よくやったと思います。USオープンは、本当に残念な結果でした。来年のグランドスラムでは、進化が必要です」(ダンテ・ボッティーニコーチ)

「たしかに期待していた結果は出ませんでした。でも、オーストラリアンオープンとフレンチでは、圭はいいプレーができました。来年は必ず、さらにいい結果が残せることを望んでいます」(マイケル・チャンコーチ)

 一方、不正解の根拠としては、錦織が2015年シーズンに安定した成績を収めたことだ。ATPツアーでは、メンフィス、バルセロナ、ワシントンD.C.の3大会で優勝し、自己最高のランキング4位まで上昇。また、マッチ54勝16敗を記録し、2014年シーズンの54勝14敗と比べても遜色はない。そして、安定した成績の際たる証左がツアーファイナルズの2年連続出場だった。

 来シーズンに向けて改善すべき点は、錦織本人も語るように、ケガなくシーズンを戦い切れるかどうかだ。ボッティーニコーチは、フィジカルの重要性を次のように語る。

「2015年シーズンの圭のメンタルは良かったと思います。何と言っても、ツアーファイナルズに出場できたわけですから、より強くなっているのではないでしょうか。これからは、シーズンの最後まで、健康であり続けることが必要です。毎年いくつかの大会で、同じ問題が起こっていますが、それでも圭は、少しずつ良くなってきています。来年は、もっと良くなるといいですね」

 チャンコーチも、錦織にはさらなる進化が必要だと強調する。

「フィジカルもより強靭に、メンタルもより強くならないといけません。この2つの課題は当たり前のことですが、今の圭にとってはとても大きな問題といえるでしょう。ハードな練習が必要ですし、そしてチャンスをモノにしないといけない」

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