全米OP開幕。錦織圭が「去年負けて良かったのかも」と語った真意 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 昨年は準優勝、ならば今年は優勝……と性急に騒ぐ周囲の喧騒をよそに、当の錦織は、「今年はまた新しい全米オープン。そんなに決勝に行けるとも限らない」と、客観的に現状と自分の立ち位置を俯瞰する。そして、だからこそ、「自分自身のプレーを初戦から貫いていく。体調もテニスの調子もとても良いので、しっかりやれば、後半に行けると思います」と雑念や油断をすべて排除し、信頼するチームとともに、目指す高みへと一歩ずつ進んでいく心づもりだ。

 錦織は昨年を振り返り、「負けて良かったのかも」と思ったのだと言った。

 では、果たして今年も彼は、心のどこかで優勝を恐れているだろうか?

 そう問われると、世界4位は表情を和らげ、フッと困ったような笑みを漏らしながらも、目には強い光を湛えてはっきりと断言した。

「もう大丈夫だと思います。経験も積んで、トップにいる自覚もあるので。グランドスラムも、いつか優勝したいと思います」

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