全米で初のベスト8。錦織圭、6年間の確かな成長
午前2時26分、錦織圭が満面の笑みを浮かべ、2014年USオープンで自身初のベスト8入りを決めた。アーサー・アッシュスタジアムには、祝福の「ケイ・コール」が響き渡っていた――。
深夜まで続いた激戦を制して全米オープンでベスト8に進出した錦織圭 日本男子としては、1922年の清水善造以来92年ぶり、1968年のオープン化(プロ解禁)以降では、初となる準々決勝進出となった。
それにしても、ニューヨークでの錦織の初のベスト8進出は、ケガの功名とでも表現すればいいのだろうか。
ATPランキング11位(大会時)の錦織圭は、第10シードを獲得したが、大会前には出場が危ぶまれ、試合ができるかどうかは、1回戦当日になるまではっきりわからなかった。
8月上旬、錦織は右足親指の母指球にできた膿胞を取り除く手術を行なっていた。手術から1週間後には抜糸をしていたが、2大会を欠場し、満足な練習ができないままニューヨーク入りをした。
今シーズンの錦織は、オーストラリアンオープン(全豪)とウインブルドン(全英)でベスト16に進出しているが、彼自身が目標としているグランドスラム大会ベスト8以上という目標はクリアできていなかった。
ランキングでは今季初のトップ10入りを果たしたものの、ツアー優勝2回の錦織は、グランドスラムで満足のいく結果を出せず納得できないまま。だからこそ、今季最後の4大メジャーで是が非でも上位進出を狙いたいところだった。
それでも、右足の不安は拭えなかったという。
「今のところは、そんな(過去最高成績を狙う)余裕はないですね。まずは(USオープンに)出ることが第一歩です。グランドスラムでは、今年はまだ思うような結果が出ていないですけど、(4大テニスメジャーに次ぐグレードの)マスターズでは準優勝(マドリード)できたし、いい結果も出ている。もちろんグランドスラムは、一年で一番の目標ではありますけど、今回に限っては、まだポイント練習もできていないので、とりあえず1回戦を戦って、調子を上げていくしか方法がない。それに賭けてみる感じです」
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