2014.01.12

【テニス】全豪直前。再び「トップ10」を明言した錦織圭の覚悟

  • 内田暁●文 text by Uchida Akatsuki photo by AFLO

 ずいぶんと、日に焼けたな——。

 それが、2014年最初に錦織圭を見た時、真っ先に思ったことだった。日に焼けて精悍さを増した相貌(そうぼう)は、先週、ブリスベン国際で繰り広げられた気温40度越えの中での熱戦の跡か。あるいは、カリフォルニアとフロリダの日差しを浴びて追い込んできた、充実のオフシーズンを反映するものか。いずれにしても、選ばれし者のみが踏み込める領域を目指して再スタートを切った、彼の覚悟の証のようにも感じられた。

オーストラリアにやってきた錦織圭は、日に焼けて一段と精悍さを増していた シーズン開幕戦であるブリスベン国際でベスト4の好成績を収めた錦織は、メルボルンからほど近い街・クーヨンで行なわれた「AAMIクラシック」を、1月13日(現地時間)に開幕する全豪オープンへの最後の調整の場として選んだ。この大会はエキシビションではあるものの、参戦者の顔ぶれは世界ランキング2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を筆頭に、4位のアンディ・マリー(イギリス)、7位のトマス・ベルディッチ(チェコ)、9位のリシャール・ガスケ(フランス)と実に豪華。来たる本番に向け、トップ選手たちが同大会をいかに重要視しているか、うかがうことができる。
 
 そのようなハイレベルな大会で3試合を戦った錦織は、2勝1敗の成績で優勝の栄誉に輝いた。本来の決勝進出者が欠場したための繰り上がりファイナルではあったものの、そのチャンスを生かし、2日前に敗れたベルディッチを6−4、7−5で下しての戴冠である。前回の対戦時はサーブの入りが悪く、特にセカンドサーブをことごとく叩かれたが、決勝では完全に立て直した。

 敗れたベルディッチは、「ケイは前回と戦術を変えてきた。前回は、僕がバックハンドで多くのリターンウイナーを決めたが、今日の試合ではほとんどバックで打たせてもらえなかった。それから彼は、リターンのポジションを下げていたように思う。だから今日は、サーブで簡単にポイントを奪えなかった」と振り返った。一方の錦織は、「今日は攻撃的に行こうと思っていた。サービスが良く、特に第2セットは相手にブレークを許さなかった。前回はリターンで攻められたので、今日はサーブのコースを散らそうと思っていた」と、満足そうな表情を見せた。「今日は理想のプレイに近い出来。良い状態で全豪に入れる」と、優勝という結果以上に、思い描いたプレイを実践できたことに大きな自信を得た様子だ。