2013.12.28

【テニス】「一番良い年だった」と胸を張った錦織圭の真意

  • 内田暁●文 text by Uchida Akatsuki photo by AFLO

「もう少しランキングを上げたかったけれど、大きなケガがなかったのが収穫」

 年内最後の大会を終えた11月中旬。錦織圭は、10ヵ月半に及ぶ2013年シーズンを、そのように総括した。

「これまでで、一番良い年だった」

 別の機会には、そのようにも評している。

今季の4大大会は4回戦進出が最高。錦織圭が自信を得た理由とは? 世界の19位として2013年を迎えた錦織は、今季の目標を「トップ10入り」と明確に打ち立て、シーズン入りしていた。そうして2月、全米室内選手権でツアー3勝目を挙げると、6月には自己最高の世界ランキング11位に。夢の領域に限りなく肉薄した。しかし、そこから最後の一歩が届かない。最終的には、17位でシーズンを終えることとなった。

 1年を終えてのランキングは、昨年のこの時期とほぼ同じ。4大大会での成績は、全豪オープンと全仏オープンの4回戦進出が最高である。昨年は全豪でベスト8入り、さらに東京開催の楽天ジャパンオープンで優勝したことを思えば、本人の「一番良い年」との言葉に、もしかしたら首をひねる人もいるかもしれない。だが、彼の今季を事細かに追い、そこに他のトップ選手たちの動向を重ねて男子テニス界を俯瞰(ふかん)した時、錦織の言葉の真意が浮き上がってきた。

 ケガが多く、欠場が多い――。そのように見られがちな錦織ではあるが、現行のテニス界を見渡すと、それが誤った見解であることが分かる。話を先に進める前に、選手の強さの指標である世界ランキングと、年間ツアーのシステムを簡単におさらいしておきたい。