【テニス】逆境の中でも前を向くクルム伊達。
「がむしゃらにボールにくらいつく」
東レPPOでは初戦敗退となってしまったクルム伊達
9月28日に42歳になるクルム伊達公子は、現役再チャレンジを始めてからかつてないほどの試練に立たされている。
今シーズン彼女を悩ませ続けていた左ふくらはぎの肉離れからは解放されたものの、ワールドツアーでの勝ち星は、今年3月のWTAインディアンウエルズ大会以来、挙げられないでいる。
WTAランキングも下降線をたどり、秋のアジアツアー・第2戦となる東レ パン・パシフィック・オープン(以下東レPPO)に出場する時点で108位(9月24日付け)にまで落ちていた。
「ヨーロッパシーズンでは、ケガによって結果を出せず苦しんだけれど、ウインブルドン後、トレーニングに取り組み、今やっとケガの心配をすることなく、テニスができている。テニスと体がかみ合うところまで来ていないとはいえ、ケガをしないで過ごせているのは、今の私には大事。(東レPPOのような)大きな大会できっかけをつかむのは、なかなか難しいが、相手が誰であれ、自分の調子がどうであれ、がむしゃらにボールにくらいつく気持ちで挑みたい」
大会直前にこう語っていたクルム伊達の1回戦の対戦相手は、第9シードのマリオン・バルトリ(10位/フランス)。過去に3回対戦しているが、一度も勝ったことがない。
第1セットで、クルム伊達は、第2ゲーム40-0からサーブをブレークされたり、第3ゲーム30-40のブレークポイントを取ることができなかったりと、ゲームを左右するような大事な場面でミスをして、1-6で落とした。
「公子が最後まであきらめないことは知っていたし、第2セットで巻き返してくることはわかっていた」とバルトリが振り返ったように、クルム伊達は、ロングラリーに持ち込みながらドロップショットを決め、また、ネットプレイも入れて相手のミスを誘い、第2セット第6ゲームでは、バルトリのサーブをブレークする意地を見せた。
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