ラグビー日本代表候補の帝京大FLはレベルが違う! 代表落選のショックを糧に目指すは6年連続の日本一 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【リーチや姫野から指導を受けた財産】

 青木のケタ違いのフィジカルは、幼馴染みに誘われて神奈川・藤沢ラグビースクールで競技を始めた小学校1年から築き上げたものだ。小学校時代はCTB、中学校時代はPRとしてプレーし、神奈川の強豪・桐蔭学園を経て、「ラグビーに集中できる環境が整っている」帝京大に進学。LOやFLとして世代屈指の実力を示し、1年から主力として躍動し続けている。

「スピードもサイズもあり、ピカイチですごい選手。我慢強く仲間たちと向き合っていけば、彼もチームも成長する」(相馬監督)

 最上級生となった時、青木は人生初のキャプテンを任された。

 そして今年2月、吉報が舞い込む。エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が就任した日本代表の候補合宿に呼ばれたのだ。そこでFLリーチ マイケルや大学の先輩No.8姫野和樹から指導を受け、一緒に汗を流す経験もできた。

 4月には早稲田大のキャプテンHO佐藤健次と明治大の副キャプテンCTB秋濱悠太ら桐蔭学園時代に花園連覇に貢献した仲間とともにジュニア・ジャパンに選出。サモアで開催された「パシフィック・チャレンジ」で見事優勝に寄与した。

 青木の忙しい日々は、まだ終わらない。さらにはジョーンズHCの肝いりで始まった「JAPAN TALENT SQUAD」プログラムに参加し、5月下旬には大学生ながら菅平高原で行なわれた日本代表候補合宿に再び招集。ワールドカップ出場メンバーやプロ選手に混じって研鑽を積んだ。

 その反面、悔しいことも経験する。念願だった日本代表からは落選してしまった。

「(代表候補合宿に参加して)フィジカルが通用したことは自信になったが、フィットネスやタックルの精度など細かいスキルが足らなかった。まだまだ仕上がっていない自分がいたので、日本代表に入れなかったのは実力不足」

 その後、日本代表のFL陣にケガ人が出たことで、追加招集リストに青木の名が挙がったという。しかし、相馬監督と話し合った末、帝京大に残る選択をした。

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