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女子ラグビー:桑井亜乃×中村知春 レフェリー・選手の異なる立場でパリオリンピックに出場した親友ふたりがスタジアム内で感動の対面を果たす

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

同世代で親友同士の桑井亜乃(左)と中村知春(右) photo by Noto Sunao(a presto)同世代で親友同士の桑井亜乃(左)と中村知春(右) photo by Noto Sunao(a presto)この記事に関連する写真を見る中村知春×桑井亜乃 スペシャル対談 前編

 数々のストーリーを紡ぎ出したパリオリンピック。そんななかで、3回目の開催となった女子ラグビー(7人制)において、異なる立場で出場したふたりがいる。

 バスケットボールからラグビーに転向した中村知春(36歳)。10年以上、「サクラセブンズ」こと7人制ラグビーの女子日本代表を先頭に立って引っ張ってきたレジェンドであり、2016年リオデジャネイロ大会以来二度目のオリンピック出場となったこのパリ大会で、過去最高の9位に大きく貢献した。

 陸上の投てきから転向した桑井亜乃(34歳)。リオデジャネイロオリンピックに出場したあと、レフェリーに転向。パリ大会では、世界のラグビー界で初めて、選手としてもレフェリーとしてもオリンピックの舞台に立つという偉業を達成した。

 かつてのチームメイトで、他競技からの転向組。学年は中村がひとつ上という間柄である仲良しコンビに、いろんな思いを背負って出場したパリオリンピックを振り返ってもらった。

【過去を払拭できたパリ大会】

――まず中村選手から。サクラセブンズとしては過去最高の9位で終えました。

中村 これがオリンピックだっていうよさを感じられましたし、出場できてすごく幸せだなと思いました。リオ大会は視野が全然なく、楽しむ余裕が正直なかったですが、パリ大会はいろんな景色を見る余裕がありました。女子ラグビーの観客記録となった66,000人というお客さんの数など、オリンピックは人生を賭けて目指す場所であることを感じられた大会でしたね。

 メダルを目標にしてきましたが、実力どおりのものをきちんと出せた意味では、チームとしてよく頑張ったと思います。過去二大会は選手たちが自分たちを誇りに思えなかったり、惨めな気持ちで終わっていたので、そうした思いを払拭できた大会になりました。オリンピックを楽しめるチームになった意味ではサクラセブンズが一歩進んだかな。

桑井 中村ほどサクラセブンズのこと考えている人はいないのに、東京オリンピックは直前で落選して、「なんで!」と思っていました。でも中村はこの3年で乗り越えて、さらにパワーアップしていました。

 大会前に海外のレフェリーの友人と話す機会があって、「ジャパンの中村はランもいいし、ハードワークだし、いいプレイヤーだね!」と、中村が覚えられていることに感銘を受けました。東京オリンピックの悔しい思いを越えて、今季、一番のピークをもってきていました。本当に尊敬しています!

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