ラグビー「エディージャパン第2章」開幕 「超速ラグビー」を掲げる名将の目に止まった気になる新顔は? (3ページ目)
【3人は超速ラグビーを体現することができるか】
そして、もうひとりノンキャップで選ばれた藤原は大阪府出身の25歳。今回呼ばれたSHの3人のなかでは最年少だ。中学校から競技を始め、高校は親元を離れて石川・日本航空石川に入学して花園を経験。今回代表に選ばれたセンターのシオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)とは高校、そして進学先の天理大学と7年間ずっとチームメイトだ。
天理大学では1年から試合に出続けて、大学4年時は大学選手権・初優勝の立役者となった。3年連続でジュニアジャパンに選ばれるなど、将来を嘱望されていた逸材である。
藤原の魅力は、テンポのいい球さばきと、相手の隙を突いたラン。2021年、スピアーズに入団すると、それらの武器を生かしていきなりトップリーグデビューを飾った。
スピアーズがリーグワン初優勝を成し遂げた昨季は主に控えからの出場だったが、今季は同僚のケガもあってクロスボーダーマッチを含む17試合で9番を背負った。持ち味のランだけでなく、キック、そしてゲームコントロールでも成長の跡を見せて、初の代表入りを果たした。
5月下旬、菅平での10日間のトレーニングキャンプに参加した藤原はこう語っていた。
「(ジョーンズHCに)日本代表の『超速ラグビー』は日本代表だけしかできない。体現するのは9番だ。9番としての役割をしっかり果たしてくれ、と言われました。システムを理解して、自分に求められていることは何かを考え、そのうえで自分の強みを出したい。超速ラグビーはオプションがたくさんあって、やっていて楽しい!」
伝統的なスピードラグビーを体現する日本のスクラムハーフは、世界的にも評価の高いポジションである。2027年ワールドカップでトップ4を目指す新生エディージャパンの旅路に向けて、スクラムハーフの3人が切磋琢磨しながら日本ラグビーをさらなる高みへと導いていく。
著者プロフィール
斉藤健仁 (さいとう・けんじ)
スポーツライター。 1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。2000年からラグビーとサッカーを中心に取材・執筆。ラグビーW杯は2003年から5回連続取材中。主な著書に『ラグビー『観戦力』が高まる』『世界のサッカーエンブレム完全解読ブック』など多数。
【ラグビーW杯フォト】日本代表「ブライトンの奇跡」プレイバック!
3 / 3