ラグビー「エディージャパン第2章」開幕 「超速ラグビー」を掲げる名将の目に止まった気になる新顔は? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

【名将エディーがノンキャップのSHを選んだ理由】

 ワールドカップに過去2大会出場した流大(東京サンゴリアス)が代表引退を表明したなか、実績十分の齋藤が選ばれることは容易に想像できた。小山と藤原が選ばれたのは、国際経験こそあまり多くないものの、年々レベルアップしているリーグワンのパフォーマンスで選出されたのだろう。

 就任後の半年間、リーグワンだけでなく高校、大学、U20日本代表合宿にも足しげく視察に訪れていたジョーンズHCは、小山と藤原を選んだ理由をこう語る。

「過去2年のリーグワンの試合を見て、小山は一貫性を持ってプレーしていた。パスの正確性も高いし、キックもでき、ディフェンスもアグレッシブ。彼にチャンスを与えるのがいいと思った。

 藤原は若くて、まだまだ学んでいるところですが、スピードがある。パスの一貫性がないところは改善してもらいたいが、私が求めているスパークするような(ひらめきのある)アタックに彼は適している」

小山大輝は埼玉ワイルドナイツ所属の29歳 photo by Saito Kenji小山大輝は埼玉ワイルドナイツ所属の29歳 photo by Saito Kenjiこの記事に関連する写真を見る 小山は北海道出身の29歳。ラグビーを始めたのは兄の影響で、中学の野球部を引退したあとに転向した。進学した芦別高校で才能はすぐに開花し、高校日本代表にも選出された。大東文化大学でも1年から活躍し、卒業後にワイルドナイツに入団した。

 入団したワイルドナイツには、今季で引退した日本代表SHがふたりいた。田中史朗と内田啓介だ。小山はふたりの背中を見ながら、社員選手でありながら時間を惜しんで努力を重ねた。2019年に田中が移籍したあとは出場する機会が増え、毎年優勝争いをする強豪チームの勝利に貢献。そして今季はクロスボーダーマッチを含む19試合に出場し、18試合で9番を背負った。

「試合に出れば出るほど経験を積めるし、いい感じになってくるので、すごく充実しています!」

 リーグワンでワイルドナイツは惜しくも準優勝に終わったが、小山はプレーオフ決勝でもトライを挙げるなど存在感を示し、初めて「ベスト15」にも選出された。

 ワイルドナイツは日本代表や世界の代表経験者が数多く在籍し、スタンドオフの松田力也も2023年ワールドカップで活躍した。小山が松田とのコンビでハーフ団を結成し、日本の勝利に貢献するシーンに期待したい。

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