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ラグビーの母国イングランドの壁は高かった。エディー・ジョーンズ前日本代表監督に弱みを突かれた (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji
  • photo by ©JRFU

イングランドを上回った点

 また、日本代表の生命線である9番(スクラムハーフ/SH)を起点としたFWのアタックに対して、イングランド代表はしっかりプレッシャーをかけてきた。持っているボールに手をかけられたり、ラックでは相手の大きなFWの圧力を受けたりして、前にいいボールを出せなかった。

「自滅する部分が多かった。想像以上にプレッシャーをかけられ、9番からのシェイプ(アタックの陣形)にかなり圧力を食らってしまった。ボールを持っている時間を大事にしようと思ったが、ボールが簡単に転んだり、コンタクトのところでもいい継続ができず、前に出て速いテンポのラグビーができなかった」

 先発したFL(フランカー)リーチ マイケルは悔しそうな表情を見せた。

 試合途中から日本代表は、10番(スタンドオフ)を起点としたアタックで相手を崩そうとした。だが、そこにもしっかりと前に出るディフェンスで対応された。結局、奪ったトライは後半19分、途中交代のSH齋藤直人のトライのみとなった。

 9月の大分合宿から練習で注力してきたはずのハイボールキャッチ、カウンターアタックでも後手を踏んだ。キャッチの精度やキック後のチェイスが疎かになってカウンターを許すなど、相手の大型バックスリーの前にキッキングゲームでも優位に進めることができなかった。

「相手のハイボール(キック)に対してこちらがキープできず、相手にボールを取られるシーンが多かった。キックは完敗だったので、次はしっかりと修正して勝てるように頑張ります」(フルバック/FB山中亮平)

 それでも、ポジティブな点はいくつかあった。前半、ボールを持ってアタックすれば相手陣に攻め込むことができ、相手の反則を誘って2度ペナルティゴールを決めることができた。

 スタッツを見ると、ボールポゼッション(54%)、ボールを持って進んだ距離(430m)、回数(136回)、相手のディフェンスを突破した数(38回)、パスの回数(201回)、オフロードパスの回数(9回)では相手を上回っており、有効なアタックを見せたシーンもあった。

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