ラグビー日本代表の新主将は負けず嫌い。リーチから引き継いだニッポン魂 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 その一方、遊びでタッチフットを興じていても相手にタックルしてしまうほどの負けず嫌いだ。新キャプテンになるにあたり、「もっとも選手たちの力になるようなキャプテンになりたい」と熱く語る。

「今までの経験をチームに還元していくことが大事です。人によっては何もしないで側にいるだけということもあるでしょうし、サポートが必要な人もいます。状況によって何が必要なのかを考えて、その時、その時に選手の力になり、ベストな解決策を考えていきたい」

 W杯でゲームキャプテンを務めた時と、新キャプテンとなった今の心境の違いを聞いた。すると、ラピースは「大きく違います。リーチはすばらしいキャプテンなので、彼らからできるだけ学びたいと思います。私も止まるわけにはいきません」と話した。

 2020年はコロナ禍の影響でまったく活動できなかった日本代表だが、2021年は6、7月の2試合に続き、今秋は10月23日に大分で行なわれるオーストラリア戦を皮切りに、11月には欧州でアイルランド、ポルトガル、スコットランドと対戦する。2023年フランスW杯まで残り2年、大事な強豪との対戦機会だ。ラピースは秋の4試合をこう考える。

「秋に対戦するチームは、それぞれ違う強みを持っています。その強みを消して行かないといけない。相手は(日本代表の)ボールをスローダウンしようとし、試合のなかで(強みとなる)セットピースを増やしたい。私たちはボールインプレーを多くしたい。すべてのチームに特徴やスタイルがあり、私たちも自分たちの戦い方にプライドを持っています。それがきちんと出せれば、おのずと結果として出る」

 ラピースは静かに闘志を燃やしている。

「私たちは春のツアーから進歩を続けている。みんな燃えるような欲望を持っています。勝ちたい。負けたくない。そして新たなものを掴み取りたい」

 新キャプテンが率いるラグビー日本代表は、今秋、大きな成長の跡を見せることができるか。

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