2020.01.08

桐蔭学園が無敗で3冠達成。
「西高東低」の高校ラグビーに風穴開ける

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 過去、WTB(ウィング)松島幸太朗(現在日本代表)を擁しても実現できなかった壁をついに破り、「東の横綱」桐蔭学園(神奈川)が7度目の挑戦で初の単独優勝を飾った。

 1月7日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で「花園」こと全国高校ラグビー大会の決勝戦が行なわれた。春の選抜大会と夏の7人制ラグビーを制して「高校3冠」がかかる桐蔭学園の相手は、同じくAシードから勝ち上がってきた御所実業(奈良)。「神奈川県代表vs奈良県代表」の決勝戦は、花園史上初のカードだ。

初の花園単独優勝を飾った「東の横綱」桐蔭学園 試合開始直前まで冷たい雨が降り続き、グラウンドは濡れていた。そのため、モールという絶対的な武器を擁し、準決勝まで1トライしか失っていない鉄壁の守備を誇る御所実業がやや有利、と予想されていた。

 御所実業は定石どおり、試合開始からSO(スタンドオフ)?居海靖(3年)のハイパントキックで崩しにかかる。桐蔭学園はキャッチミスからチャンスを与えてしまい、前半4分にはモールで、さらに前半16分にもBKからの展開でトライを許し、0−14とリードされる。

 ただ、今季の桐蔭学園は公式戦38戦無敗(7人制ラグビー含む)。14点のビハインドでも動揺することはなかった。

 前半19分、相手の反則からCTB(センター)桑田敬士郎(3年)がPG(ペナルティゴール)を決めて3−14にすると、相手の得意とするモールで前進を許さず、敵陣で攻撃する時間帯が徐々に増えていく。ただ、なかなかトライを奪うことはできずに、11点差のまま前半を折り返した。

 それでも、桐蔭学園を率いて30年目を迎える藤原秀之監督は、「後半10分以内にトライを獲ればワンチャンがある」と思ったという。また、キャプテンのSO伊藤大祐(3年)も、「先に2本獲られてしまったので、どういうゲームをするのか考えた。1本取ったら射程圏内」と、監督とキャプテンの意見は見事に一致していた。

 今季のスローガンは「一心」。意志統一の図れている桐蔭学園は後半、すばらしい試合を見せる。