16強入りの浦和高校ラグビー部。花園で受験勉強しながら強豪に挑む

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori photo by Sportiva

 12月30日──。

 急きょ曇天の東大阪市花園ラグビー場で、埼玉県立浦和高校(通称・浦高)と青森山田高校が対戦する第99回全国高校ラグビー2回戦の火蓋が切られることとなった。

 当初は第3グラウンドの東大阪市花園中央公園多目的球技広場で15時15分から試合を開始することになっていた。だが、お昼ごろまで雨が降っていた天候のため試合時間が押してしまい、日没の影響も考慮して、照明設備が整っている第1グラウンドで15時45分からの試合開始に変更された。

 照明が灯るなかで始まったこの試合。ひとことで言い表すとすれば、"死力を尽くしたトライ合戦"となるだろう。

 まずは前半4分に、浦高のスクラムハーフ宮崎隆之介(3年)のキックを右ウイングの金田縁(2年)がキャッチして飛び込んだのを期に、トライ合戦がスタート。

 青森山田も前半9分と11分に連続トライを決め、コンバージョンにも成功し、7対14と一時リードを奪うが、浦高も前半24分、得意のモールからキャプテンの松永拓実(3年)が前の試合に続いてトライ。スタンドオフの目黒晃平(3年)のコンバージョンキックも決まり、14対14で前半を終える。

初戦にも増して、低く、泥臭く戦った浦高フィフティーン初戦にも増して、低く、泥臭く戦った浦高フィフティーン
 スコアは同点での折り返しだったが、ここまでを見ると、青森山田が擁するトンガからの2人の留学生、リサラ・フィナウ(2年)とハニテリ・ヴァイレア(2年)を中心とした攻撃力が猛威を振るった前半だった。しかし、その状況を浦和の松永はこう振り返る。

「前半は自分たちが緩んだところで点を取られましたが、前半自体をゲームの序盤として捉えることで、メンタル的にはリラックスできていた。後半になれば、浦高のほうが動ける。それが浦高の強みだと」

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