2019.10.11

ラグビーの「TMO」って何。
誤審減も判定の迅速さと一貫性は必要だ

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • photo by Kyodo News

 日本代表の活躍もあって、ラグビーワールドカップ(W杯)が盛り上がっている。ただ熱戦の最中、レフリーによって試合が中断されることがある。「TMO」だ。「テレビジョン・マッチ・オフィシャル」の頭文字をとったもので、いわゆるビデオ判定のことを指す。

日本VSロシア戦。TMOの判定で松島幸太朗のトライが認められなかった場面もあった

 試合中、レフリーが両手で大きな四角を描くゼスチャーをすることがある。これが、TMO。トライをしたかどうかの確認や不正なプレーの判断を明確に下せない時、レフリーの判断で実施される。

 試合のTMO担当のレフリーが、さまざまな角度から撮影された問題のシーンをスローモーションやコマ送りなどで何度か確認し、レフリーの判断をサポートすることになっている。例えば、白熱した試合となった9日のウェールズ×フィジー(大分スポーツ公園総合競技場)戦は7度もTMOが実施された。

 レフリーは、フランス人のジェローム・ガルセス氏だった。フィジカルに長けた両チームで強烈なコンタクトプレーが多かったからか、危険なタックルやきわどいトライシーンを確認するため、何度も試合を止め、アシスタントレフリーと相談した上で、TMOへ。

 試合はウェールズが29-17で勝利を収める一方、TMOによる中断時間はトータルで約12分間にもおよんだ。

 確かに正確な判定を下すために、ビデオ判定は必要だろう。だが、レフリーとTMO担当とのやりとり、選手への説明に時間がかかることもあってか、せっかくの熱戦に水を差されるというか、「時間がもったいない」と感じる時もあった。

 これまで取材した試合を振り返ると、ウェールズ×豪州戦(9月29日・東京スタジアム)では、TMOが合計4回で約10分間、試合が中断された。試合はウェールズが29-25で競り勝った。試合後、会見で「TMOがチームの勢いを止めたのでは?」と聞かれると、豪州のマイケル・フーパー主将はこう、答えた。

「言い訳はしたくない。どこのチームも、こういったシステムに適応していかないといけない」