2019.09.02

リーチ主将が不安を乗り越え大きな自信。
「トライはいくつもとれる」

  • 松瀬 学●文・写真 text&photo Matsuse Manabu

 勝負の時がやってきた。初の自国開催となるラグビーワールドカップ(RWC)に挑む日本代表31名が決まった。前回の2015年RWCに続き、チームを引っ張るのが、卓越したキャプテンシーを誇るリーチ・マイケル主将。「1試合、1試合を大事にして、ベスト8以上にいく」と、30歳は言葉に力を込めた。

ラグビー日本代表の頼れる主将リーチ・マイケル

 まっすぐな性格のリーチ主将は、ラグビーを、日本の文化を、そして共に戦う仲間をことのほかリスペクトしている。代表決定にも、「寂しい思いがあります」と漏らした。

「いろんなメンバーが(日本代表に)関わってきました。このチームを創ってくれたのは、そんなたくさんの人たちのお陰なんです。僕らはさらに頑張らないといけない。選ばれなかった人たちの分まで」

 リーチ主将は今年、恥骨炎で戦列復帰が遅れた。「正直、不安はあった。自分がワールドカップメンバーから外れると思った」と打ち明ける。

 その日本代表メンバーは、海外出身の選手は15人と歴代最多となった。リーチ主将はニュージーランドのクライストチャーチ出身。15歳の時、日本にやってきた。札幌山の手高校へのラグビー留学だった。だから、人生の半分を日本で生活していることになる。2013年、日本国籍を取得した。日本人の妻との間に1女を持つ。「日本のために」という思いがつよい。「僕は日本で学び、育った」。

 ラグビーはサッカーなどと違い、「自分の出生国」「両親、祖父母の誰かが生まれた国」「3年継続して居住した国」などであれば、ナショナルチームの一員になれる。海外出身選手は総じて、フィジカルが強い。「日本の選手の体格は、世界では小さい。日本ラグビーにはこれから先も(海外出身者が)絶対にいる」と言うのだった。

 こういったダイバシティ―(多様性)の多国籍チームをまとめるのがリーチ主将である。英語、日本語が堪能。「自国開催の大会のために愛国心を強く持たないといけない」と、チームで日本文化を学ぶ機会をつくっている。宮崎合宿では「君が代」に出てくる「さざれ石」を見学したり、俳句を勉強したり…。日本の歴史を知れば、「日本代表としての覚悟が変わる」と説明した。