日本代表におすすめ。ラグビーW杯に間に合うふたりの外国人選手 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 また、リーダーシップも高く評価されており、昨年のサンウルブズではゲームキャプテンを務めた。今年の日本代表候補合宿ではリーチキャプテン、田中、田村、SH流大(ながれ・ゆたか)らとともに「リーダーのひとり」に指名されるなど、チームでの存在感は日に日に大きくなっている。

 ただひとつ、ラピースには問題があった。試合には出場していないものの、2013年11月に南アフリカ代表のヨーロッパ遠征に参加したことが問題視されていたのだ。だが、今年になって「南アフリカの協会から、日本代表として出場していいという許可が出た」(ラピース)。出場できるタイミングは未定だが、9月のワールドカップ本番には間に合う予定だ。

 このふたり以外にも、ワールドカップに日本代表として出場可能な外国人選手はいる。現在サンウルブズで猛アピールを続けているが、リーグ全体でも屈指のボールキャリア数を誇るFL/No.8(ナンバーエイト)ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ――通称「ボニ」だ。

 フィジー人の父とアイルランド人の母を持つボニは、オーストラリアのシドニー生まれ。オーストラリア高校代表に選ばれるなど頭角を表し、2016年にNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに加入した23歳だ。また、2016年にトップリーグ最年少出場記録(19歳)を更新し、今年サンウルブズ入りも果たしたFLベン・ガンター(パナソニックワイルドナイツ)も台頭してきた。

 ただ、バックロー(FL/No.8の総称)にはリーチや姫野を筆頭に、No.8アマナキ・レレィ・マフィや前出のラピースもいるため、相当な活躍を見せないとワールドカップへの出場は難しいが、ともに可能性を残している。

 また、ジョセフHCは「(7月~8月の)PNC後に代表資格を得る選手もいる」と語っており、LOジェームス・ムーア(宗像サニックス)やCTBシェーン・ゲイツ(NTTコミュニケーションズ)、WTBゲラード・ファンデンヒーファー(クボタ)なども、まだ日本代表入りの可能性がある。

 ラグビーはケガがつきものだ。試合中にもシンビン(10分間の一時的退出)やHIA(脳震盪がどうかの確認)によって、選手がピッチから離れることも多々ある。選手層は厚いに越したことはない。彼ら外国人選手の加入は、間違いなく日本代表を強くする。

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