「ラグビーW杯も東京五輪も両方出る!」怪物・藤田慶和の野望 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 この言葉で、藤田は「頭の中がクリアになった。不安が吹っ切れた」。そして、2月のセブンズ強化合宿で「ずっと取り組んできたランニングスキル」をアピールし、約2年半ぶりにメンバーに選ばれた。

 かつてのセブンズでの藤田は、アタック時にボールを展開する一方、ディフェンスでは後ろに下がって守るSH(スクラムハーフ)のポジションだった。だが、現在はユーティリティBK(バックス)という位置づけで、状況によってはHO(フッカー)としてスクラムを組む可能性もあるという。

「まだまだフィットネスは上げないといけないですが、ボールを持って走ることが自分の持ち味なので、そこにフォーカスしてワールドシリーズの舞台で発揮したい」

 藤田の頭の片隅には、9月に日本で開催されるラグビーワールドカップのことがあるに違いない。2015年のワールドカップでは1試合しか出場できなかっただけに、その悔しさを晴らしたいはずだ。

 藤田は「ワールドカップにつながると信じてやるしなかい」と、まずは目の前のセブンズに「すべてをかける」と語る。もちろん、リオデジャネイロオリンピックで試合に出場できなかった無念を、「東京五輪でリベンジしたい」という思いもある。

「2019年のワールドカップもあきらめていないし、2020年の東京オリンピックも出場したい。両方目指しています!」

 25歳になった藤田だが、真摯にラグビーに取り組む姿勢は、高校時代から何ひとつ変わっていない。まだチャンスは残っている。まずはワールドシリーズで大暴れすることこそが、次の扉を開くカギとなるだろう。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る