2019.02.05

2015年ラグビーW杯組サバイバル。
立川理道は窮地に立たされた

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 アタックではパスでトライを演出するなど、立川らしいプレーが披露できた。しかしディフェンスでは、フィジカルな相手に対して現在の評価を覆すほどの好パフォーマンスだったとは言いがたい。

 日本代表の前指揮官ジョーンズHCは、複数の選手がFWでもBKでも関係なく狭いエリアで連動するラグビーを目指していた。そういう方向性とマッチしていたため、SO(スタンドオフ)とインサイドCTBの両方でプレーできる立川は高く評価されていた。

 たが、「ボールをスペースに運ぶラグビー」を信条とするニュージーランド出身のジョセフHCは、立川をインサイドCTBとしか見ていない。SOのファーストチョイスは、広い視野とスキルを合わせ持つ田村優(キヤノン)であり、2番手は松田力也(パナソニック)だ。また、インサイドCTBではラファエレ ティモシー(コカ・コーラ)が定位置を確保しており、若手の梶村祐介(サントリー)の台頭もある。

 昨年10月の会見で立川の名前が日本代表になかった時、ジョセフHCは珍しく名指し、こう語った。

「彼の最近のパフォーマンスが我々のレベルまで達していなかった。12番としてのフィジカル、ディフェンス力が不足している。苦渋の決断だが、厳しいタフな判断は自分の任務であり、日本ラグビーのためでもあると思っています。トップリーグなどでの活躍で、彼が逆境を跳ね返してくれると信じています」

 また、プレーだけでなくリーダーシップという面でも、立川の必要性がやや薄れてしまったことも否めない。キャプテンのFL(フランカー)リーチ マイケル(東芝)を筆頭に、SH(スクラムハーム)流大(ながれ・ゆたか/サントリー)やFL/LO(ロック)姫野和樹(トヨタ自動車)の存在感もさらに増してきた。

 一度下された評価を覆すことは、なかなか難しい。立川は所属チームのクボタの理解を得て、トップリーグにはSOではなくインサイドCTBで試合に出続けた。そして今回、チャリティーマッチに出場するチャンスを掴み、猛アピールを試みたというわけだ。