大阪桐蔭で根尾昂と同じ6番。ラグビー部の怪物2年が花園優勝に貢献 (3ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 この言葉どおり、奥井はボールを持つと、常に前に出続けた。2回戦では6人をはじき飛ばす豪快なトライを挙げ、準決勝でも相手の反則から自ら仕掛けてトライを奪った。そして決勝戦では、スクラムでSH(スクラムハーフ)の位置に入ってボールを投入し、最初のボールキャリアとなって前に出続けるなど、随所で力強いプレーを見せた。

「自分の強みはボールキャリアなので、60分間やりきった。モールは1年間、FWがこだわってやってきたことなので、自信をもってやれました。全員で取ったトライです!」

 綾部監督は、奥井を「どの試合でもプレーに波がない」と高く評価し、「もう少し後ろでプレーさせても面白いかもしれない」と、BKでも試すプランを明かした。また個人的には、ラグビー日本代表の堀江翔太のようなHO(フッカー)として世界で勝負しても面白いのではと思っている。

 奥井の憧れの選手は、大阪桐蔭の先輩であるNo.8(ナンバーエイト)中野光基(帝京大1年)と、「ハードにコンタクトするところが好きです!」という日本代表FL布巻峻介選手(パナソニック)だ。将来は「大学に行って、そしてトップリーグに行って、できればラグビーで食べていきたい!」と丸い目を輝かせる。

 奥井はまだ2年生だ。来年度も大阪桐蔭は大阪府予選を勝ち抜き、花園に出場することになるだろう。

「僕にはまだ1年ある。来年度負けたら意味がない。またイチからですが、強いチームを作って花園に戻ってきたい。そしてどんな役目でもいいので、チームを日本一に導けるようにしたい!」

 将来の日本ラグビー界を担う逸材のひとりとして、奥井は花園での連覇を目標にさらなる進化を続けていく。

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