世界で戦ってきた吉田義人は、今のラグビー日本代表をどう見ているのか (4ページ目)

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji


――選手選考や選手層はどうお考えでしょうか?

 キャプテンのリーチ マイケルなど、2015年のワールドカップで活躍した選手がリフレッシュして、いい緊張感を持ってやっているなと思います。彼らの経験値を軸に、成長してきた若手選手、さらにはラグビー先進国出身の外国人選手も加わって、選手層は厚みを増してきていると感じていますね。

――2019年にワールドカップが開かれるだけでなく、2020年には東京オリンピックと日本で大きなスポーツイベントが続けて行なわれます。

 ラグビーに関して言えば、真の意味で、ラグビー文化が日本に根付くことが大切だと思っています。世界中からたくさんのラグビーファンが訪れます、試合はもちろん、「日本自体が盛り上がっていた」「日本は素晴らしかった」と思ってもらえることが重要です。ワールドカップだけでなく、翌年は7人制ラグビーが開催されるオリンピックもあるので、一緒に日本全体で盛り上げていければよいのではないでしょうか。

――吉田さんは、15人制だけでなく、オリンピックの正式種目である7人制ラグビーの日本代表のキャプテンとしても活躍しました。

 両方プレーヤーとして世界で戦ってきた経験者の立場から言えば、同じグラウンドで行なうこの2つの競技は、サッカーとフットサルのように別ものだと考えています。ニュージーランドやオーストラリアなどの強豪国は、7人制と15人制と分けて強化しています。

 2019年のワールドカップ終了後は、日本においても、オリンピックを目指す選手とラグビーワールドカップを目指す選手がそれぞれ存在することになることと想像していますし、そうなるべきと思っています。
 
 僕自身はフランスでもプレーしましたし、ワールドカップや世界選抜など、世界の舞台を経験させてもらいましたが、今回はそういったワールドカップやオリンピックという世界のビックイベントが日本にやってきます。こんな機会は本当に滅多にないこと。ぜひ、日本の人たちにも"生"であの雰囲気を感じてほしいですよね!

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