ラグビー日本代表に現れた「女子高生トリオ」はW杯で世界と戦えるか (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 3人がなぜ、17歳ながら日本代表になれたのか──。もちろん、個々の能力とラグビースクールでの鍛錬によるところも大きいが、3人とも現在通う高校で、激しいコンタクト以外は男子ラグビー部員と練習している影響も多分にある。しかも、それぞれの高校は「花園」こと全国高校ラグビー大会の常連校であり、指導面でも恵まれている。

「小さい頃から男子と一緒に練習をやっていますが、スピードの面でも全然違います。世界を意識するにあたって、男子部員とやれているのはありがたい。FWのスキル面は(元日本代表の)浅野(良太)先生に教えてもらっています!」(国学院栃木高の小西)

 8月9日に開幕するW杯に4大会ぶりに出場するサクラフィフティーンは、予選プールでフランス代表(世界ランキング4位)、アイルランド代表(同5位)、オーストラリア代表(同6位)と対戦する。3人がW杯最終メンバーに残ることができるかは分からないが、17歳の若い力が台頭すれば、競争が増して選手層が厚くなり、チームの活性化につながるはずだ。

「先輩が多くて、いろんな声が聞こえるのでやりやすいです。出場したら、チームにいい流れができるように最初から全力でやりたい」(津久井)
「年下が頑張って、チーム全体の底上げしていきたい」(加藤)
「尊敬はしつつ、遠慮はせずに先輩を追い越せるようになりたい」(小西)

 このように意気込む3人は、サクラフィフティーンが目標に掲げるベスト8進出の原動力となれるのか。17歳の高校生トリオが、アイルランドの地で世界へ羽ばたくために前進を続ける。

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