世界一オールブラックス指揮官が京産大に教えた「ラグビーのメンタル」

  • 斉藤健仁●文・写真 text & photo by Saito Kenji

 5月10日午後、2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップの組み合わせ抽選会が行なわれたが、その午前中、抽選会のプレゼンターとしても登壇した世界最強の「オールブラックス」ことラグビーのニュージーランド代表ヘッドコーチであり、過去4度、ワールドラグビー年間最優秀監督賞を受賞しているスティーブ・ハンセン氏の姿はグラウンドにあった。昨年度の大学選手権で明治大を倒して大学選手権ベスト8に入った強豪大学のひとつ京都産業大ラグビー部員31人に対して、「All Blacks Coaching Academy(オールブラックスコーチング・アカデミー)」を開講したのだ。

学生に対し、丁寧に指導するオールブラックスのヘッドコーチ、スティーブ・ハンセン氏学生に対し、丁寧に指導するオールブラックスのヘッドコーチ、スティーブ・ハンセン氏
 座学30分、グラウンドでの指導は1時間弱だったが、さすが2015年ワールドカップ優勝指揮官だけに、中身の濃いものとなり、京都産業大のラグビー部員は緊張しながらも集中してコーチングを受けていた。ハンセンHCに対して京都産業大側から「メンタル、タックル、そしてラインアウトと自分たちの弱かったところを指導してほしい」(大西健総監督)とリクエストしたそうだ。

 座学では短時間ながらも、さっそく明日にでも使える要素が満載の授業となった。

「まず、自分自身を理解してほしいということがひとつの強いメッセージでした。失敗したとき、間違いを犯したとき、そこからどう立ち上がるのか。ラグビーというスポーツはメンタルが大事なので、そこが一番伝えたかった」(ハンセンHC)

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