サントリー2冠達成。立役者となった165cmの新主将、その名は「流大」 (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 後半17分にトライを許して逆転されたときも、サントリーに焦りはなかった。彼らは自らに課した規律を守り、パナソニックがペナルティーを犯したところでPGを2本決め、最後は15-10で逆転勝利。試合後にSH流は、「いいときも悪いときも、今日はチームになれていた。僕のミスも他のメンバーがカバーして、粘り強く戦ってくれたことに感謝します。チームでもぎ取った勝利ですし、全メンバーに感謝したい。サントリーに来てよかった」と声を弾ませた。

 前キャプテンだったLO(ロック)真壁伸弥は「流と(沢木)敬介さんとの相性がよかったのでは」と語り、若きSHをサポートし続けたSO小野は「リーダーシップを取ることで伸びる選手と、考えて過ぎて伸びない選手がいる。流は、最初こそ苦しんでいましたが成長した」と述べ、リーダーとしての進歩に目を細めた。

 もちろん、SH流は「トップリーグ・ベスト15」に選出されたように、選手としても一級品のプレーを披露できる逸材だ。ニュージーランド育ちのSO小野は、「日本にはボールをさばけるSHはいっぱいいますが、流はラン、パスができるだけでなく、裏のスペースを見ることができて、右足でも左足でも蹴れるところが日本一の長所」と太鼓判を押す。また、日本代表とサンウルブズで共同キャプテンを務めるCTB(センター)立川理道(クボタスピアーズ)も、「サンウルブズで一緒にプレーしてみたい選手」として真っ先にSH流の名を挙げた。

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