新生ジャパン、アルゼンチン戦完敗で露わになった課題と対策 (4ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro


 とはいえ、何よりの収穫は課題が明らかになったことだろう。アタック、ディフェンスの連係不足、スクラムの結束の弱さ、互いのコミュニケーション不足......。もちろん、個々のフィジカル、スピード、判断力は継続して高めていかなければならない。

 繰り返すけれど、チームスローガンが『ワン・チーム』。そのためには、まず一人ひとりが自分の役割を100%まっとうすることである。そのうえで互いのコミュニケーションを密にして、相互理解を深め、細部を詰めていくことである。

 人柄だろう、ジョセフ新HC は「選手たちは桜のジャージを着るプライドを見せてくれた」と褒めた。

「決してあきらめない。レメキのトライが我々の象徴です。ポジティブなところは多かったけど、ミスが失点につながった。今日出た課題をしっかり時間をかけて修正して、チームとして向上していきたい」

 ワインに例えると、チームはまだボジョレー・ヌーボーといったところか。時間をかけ、円熟した味わいを出していけるかどうか。ポイントはワインのごとく、互いの掛け合わせ、つまりハードワークを通したコミュニケーション強化であろう。

"ジェイミー・ジャパン"にとって、次の2019年W杯日本大会に向けて荒海が待ち受ける。今後、欧州遠征で3試合を戦う。初戦が12日のジョージア代表戦。またもスクラムが試練となる。相当厳しい戦いが予想されるが、ワン・チームになる特効薬はなんといっても『勝利』である。

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