我々に託された平尾誠二の遺志。「2019」は成功させなければならない (5ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO

 また、インタビューの話題は日本人論やビジネス論へと広がっていくことも多々あり、それがさらに連載を盛り上げた。

「日本人って、『状況によって変化します』なんて言われると、妙にオドオドする。スポーツだけなく、ビジネスの世界でも具体的にしていかないと気が済まない。また、『自分で決めろ』と言われるより、『決められたい』というのが日本人気質。

『日本人には何が足りないのか?』とよく聞かれるんですが、『判断力』と答えます。それが僕の持論ですが、外国人ヘッドコーチが指揮を執ることによって変わっていくと思いますよ。日本のラグビー界にとって、今は過渡期。新しい血をどんどん入れて、いろんなことにチャレンジしていけばいいと思います」

「トップリーグが始まって3年(2006年当時)、日本のレベルは確実にアップしてきました。選手ひとりひとりのレベルは、間違いなく上がっています。しかし、それがジャパンの力となるには、もう少し時間がかかる。日本人というのは、『何かやったら、すぐに何かが手に入る』と思っていますよね。だから、いいワインが造れなかったんです。成果を得るには、段階があるし、それを待っていないと。それでも、これからのジャパンは今まで以上に面白い試合を見せてくれますよ」

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