五郎丸歩が移籍する「トゥーロン」、そして仏リーグ「トップ14」とは? (4ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 その後も、オーストラリア代表SH(スクラムハーフ)のジョージ・グレーガンや、南アフリカ代表LO(ロック)のヴィクター・マットフィールドといった世界最高峰の現役選手を招聘。2008年にはイングランド代表でキックの世界的名手として名を馳せたSOジョニー・ウィルキンソンも獲得し、2008年、ふたたびトップ14に返り咲いたのである。

 各国のナンバー1選手を次々と獲得するトゥーロンは、「ラグビー版・銀河系軍団(サッカーのレアル・マドリードを指す呼称)」と呼ばれるようになった。そして2012-2013シーズンに準優勝、2014年にはトップ14になって初優勝。欧州の強豪が集結するヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップでは、2013年から2015年にかけて3連覇を果たしている。これは、ヨーロッパのクラブで前人未到の記録だ。

 現在のトゥーロンには、フランス代表主将のHO(フッカー)ギエム・ギラド、南アフリカ代表のスピードスターWTB(ウイング)ブライアン・ハバナ、ニュージーランド代表CTBマア・ノヌーなど、多くのスター選手が在籍する。そうしたなか、日本のトップ選手ということで、五郎丸に白羽の矢が立ったというわけだ。当然、トゥーロンの五郎丸獲得には、日本やアジアへのプロモーションの意味合いもあるだろう。ブジェラル会長も、「その部分を否定はしないが、それ以上に私は五郎丸の選手としての資質、キッカーとしての能力を買っている」とコメントしている。

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