パナソニック3連覇! 日本ラグビーをけん引するW杯戦士たち (4ページ目)

  • 松瀬学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 ナイツメンバーとは、試合に出ないメンバーを指す。パナソニックの愛称が『ワイルドナイツ(野武士軍団)』。チームでは試合メンバーを「ワイルド」、それ以外を「ナイツメンバー」と呼ぶのである。両者でワンチーム。
 
 日本代表もそうであったが、強いチームとは試合以外のメンバーの貢献なくしてはありえない。この日のスクラム、ラインアウトで見せた修正力の高さも、ブレイクダウンでのディシプリン(規律)も、ふだんの濃密な練習と切磋琢磨があればこそである。

 両チームの反則数は、東芝の「6」に対し、パナソニックは「3」だった。決勝トーナメント3試合で計25本のキックをすべて成功させた大会最優秀選手のスタンドオフ、25歳のヘイデン・パーカーはこう、言い切った。

「チームとしての1年間の努力の結果がこうなったのです。僕のキックもチームメイトが頑張ればこそです」

 王者はまた、日本ラグビーをけん引する使命を帯びる。涙が乾いた田中はスタンドのファンに向けて声を張り上げた。

「ラグビー界の戦いはこれで終わりじゃない。2019年まで、みなさんのあたたかい応援をお願いします。僕たちも頑張ります」

 2019年にはワールドカップが日本で開催される。日本ラグビーをリードする日本代表の選手たちの熱い思いが垣間見えたトップリーグの盛り上がり、ワイルドナイツの3連覇だった。
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