2015.12.08

【ラグビー】さらば「失速明治」。古豪を変えたメイジウェイとは

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 明大が変わった。伝統のスクラムのこだわりは引き継ぎながらも、日本代表のごとく、ボールを大きく動かしていく。新たな『メイジウェイ(明治流)』。持ち味を出しての早明戦勝利に明大の丹羽政彦監督が笑う。

「練習もそうですけど、明治の趣をすべて、変えました。FW偏重型をやめた。メイジのDNAとして屋台骨(スクラム)は残して、FW、BKのトータル的なラグビーをやろうとしています」

日本代表FB藤田慶和(右)を振り切って突き進む明治のウイング成田秀平(左)

 6日の伝統の早明戦。満員2万2千余の観客で埋まった秩父宮ラグビー場のスタンドが大きく揺れたのが、前半終了間際の攻防だった。早大がPGを蹴らず、逆転トライを狙う強硬策を失敗した直後だった。

 才能ある明大BKが躍動した。明大のウイング成田秀平が相手のボールをタックルで弾き落とし、これをセンター梶村祐介が鋭いランでゲインする。ラックを作って左オープンに展開し、さらにタテ突破を交えながら、右、左、そして右に。

 最後は、梶村からロングパスを受けた成田が日本代表のフルバック藤田慶和のタックルを弾き飛ばし、相手ウイングを引きずりながら右隅に飛び込んだ。これで22-12。明大黄金期のバックスの力強さと勢いを彷彿させる攻めだった。

 早大戦初勝利の3年生、成田が顔をくしゃくしゃにする。「いっぱいボールをもらって走ろうという意識が出ていたと思います。日本代表を抜いてのトライ? そりゃ、うれしいですよ。やっぱりウイングはトライを取るのが仕事ですから」

 試合後、控え部員たちから「ヒーロー」「ヒーロー」との喝采を浴びた。そのヒーローが言葉を足す。