【ラグビーW杯】エディー・ジョーンズが残した「最大の功績」とは? (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji  photo by AFLO

 まず、エディー・ジャパンの戦績を見てみよう。これまで計53試合を戦い、31勝1分21敗(非テストマッチ9敗も含む)という結果を残している。この31勝のなかには、初めてアウェーで欧州のチームに勝った試合(2012年11月・ルーマニア代表戦)や、初めて勝利したウェールズ代表戦(2013年6月)やイタリア代表戦(2014年6月)も含まれている。また、テストマッチ11連勝や、初の世界ランキング9位など、数々の歴史を塗り替えてきた。

 そんなジョーンズHCの最大の功績といえば、パスとランを組み合わせた「アタッキングラグビー」を信条とし、世界の強豪と対等に戦えるベースを作ったことだろう。

 2012年4月にスタートした「エディー・ジャパン」の最初の練習は、フィットネスとスクラムだった。FL(フランカー)リーチ マイケル主将は前回大会の経験から、「フィットネスは日本が世界で一番と言われていたけど、そうじゃなかった」と語る。だが今では、「今回は大丈夫」ときっぱりと断言し、疲れの溜まっている今大会直前でも、グラウンドを何往復もするフィットネストレーニングを行なっている。

「アタッキングラグビーをするには、スクラムとラインアウトの成功率は9割が必要」
「セットプレーから、3次~4次攻撃でトライを獲るのが理想」

 もともとHO(フッカー)だったジョーンズHCは、セットプレーを重要視し、就任当初から力を入れてきた。「フランス代表は身体は小さくても強いスクラムを組んでいる」と思うやいなや、2012年の秋からは元フランス代表HOのマルク・ダルマゾをスクラムコーチとして招聘。その結果、今では8人で低く組むスクラムは日本の武器のひとつとなった。

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