【ラグビー】W杯まで20日。チーム一丸でジャパンの歴史を変える (3ページ目)
「今日は60点差で勝てる試合でした。(福岡)堅樹はあと、2トライは取れたと思います」
ただ、この人はジョークを忘れない。選手の動きの良さの理由を聞かれ、自身の退任発表を持ち出した。「あと4年、ワタシのもとでトレーニングしなくていいとわかったから、みんな解放感でハッピーだったんじゃないでしょうか」
これが国内では日本代表の指揮をとるラストゲームとなった。スタンドには『ありがとう、エディー・ジョーンズ』のパネルもあった。声のトーンが少し変わる。
「日本での最後の試合、さみしく思います。素晴らしい4年間を過ごした。ファンに誇りを持って応援されるチームになったと思います。W杯で旋風を巻き起こしたい」
もはやW杯後のジョーンズHCの人生は日本代表には直接、関係ない。これからが本番だ。31日に代表メンバー31人が発表され、9月1日に英国に渡る。ジョージア(グルジア)とのテストマッチを経て、18日開幕のW杯に挑む。19日が初戦の南アフリカ戦。
ミックスゾーンの最後。報道陣からやっとで解放された「キンちゃん」こと37歳の大野均を追い駆けて、覚悟を聞いた。このW杯に懸けるものは……。
「日本ラグビーそのものじゃないですか。2019年にW杯日本開催がある。もう自分たちの思いだけじゃなく、日本ラグビーの将来がかかっている大会となるからです」。
雨が上がった。HCや選手個々が感傷に浸る余裕はない。いざ決戦の地へ。日本ラグビーの浮沈を握るW杯のキーワードは「チーム一丸」「ワン・チーム、ワン・ハート」、すなわち「信は力なり」である。
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