【ウィルチェアーラグビー】アジアパラで金。成功しているチームの活性化 (3ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

 成長著しい和知は、世界屈指のスピードを誇る池崎がいる北海道ビッグディッパーズに所属している。その池崎と同じ、手足の筋肉が落ちていく難病「シャルコー・マリー・トゥース病」を3歳のときに発症。2014年の夏に、同じ病気ながら世界で活躍する池崎に出会ってウィルチェアーラグビーを始め、パラリンピック日本代表を目指すようになった。病気の進行に伴い、視覚に中心暗転ができるなどハンデはあるが、池崎と一緒に、筋トレや車いすで進みにくい人工芝で走り込みを行なうなど、トレーニングに励み、実にこの半年間で体重を10キロ増やした。

「いつか池さん(池崎)を超えてみせる」

 その目標が和知の原動力だ。

 来年のリオパラリンピック予選を前に、ベテランと若手が融合し、チームの士気は高まっている。パラリンピックのメダルを目指す日本代表は、ロンドンで4位に終わってから、カナダ人コーチを招聘したり、国際試合を増やすなどチームの活性化を図っている。

「日本は現在世界の中で4位だけれど、トップ3との距離は近いようですごく遠い」と危機感を募らせるのはロンドンパラリンピック日本代表の庄子だ。

「新しい選手の血を入れてやっていかないとトップの牙城は崩せない。だから若手の育成に注力し、なんとかトップ3との力の差をなくしたい」と力を込める。

 今回のアジアパラ競技大会や、その直前に千葉市でカナダを招いて行なったジャパンパラ競技大会が、若手にとって大きな経験になったことは間違いない。若い彼らの存在が、日本代表のメダル獲得につながるはずだ。

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