Tリーグ連覇へ。早田ひなは笑って楽しんで「ゾーン」に入る (2ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei
  • 池田清太郎●写真 photo by Ikeda Seitaro

――そういう感覚は普段から結構あるんですか?

「ありますね。いわゆる"ゾーン"に入ったら、そういう感覚になる時もあります。集中が深くなると、『あ、いつの間にか終わった』みたいな。だからファイナルでも1ゲーム目、2ゲーム目がどうなったかはあんまり記憶にないんです(笑)」

――観客側から見ると最高潮に盛り上がる試合でしたが、自身も楽しんでいたという感覚でしたか?

「今振り返ればですが、私の中でもすごく楽しめていました。逆に楽しめていたことからこそ、結果的に思い切って打ちにいけたというのもありますね。5試合目に入る時もめちゃめちゃ笑いながら入りました(笑)。チームメートと一緒に笑いながら入っていけたことで、肩の力が抜けてスムーズに試合に入り込めました」

――チームはチャンピオンとなり、初代MVPにも輝きました。今シーズンはどういう気持ちでTリーグを戦っていこうと思っていますか?

「昨シーズンのリーグ戦だけで見ると、1位の木下アビエル神奈川さんとは、結構なポイント差(勝点:木下アビエル神奈川 60/日本生命レッドエルフ 43)がありました。そこは反省する部分です。ファイナルも本当に勝つか負けるか、どっちに転ぶかわからないという試合でしたし。

 私達のチームの良さのひとつとして、チームワークが挙げられると思いますが、ファイナルでは、それぞれの選手の気持ちが一つとなって取れた初代チャンピオンだと思います。チームワークを今シーズンも活かして、もう一度優勝を味わいたいですね」

――昨シーズンの開幕前は新たに始まるTリーグを不安視する声もありましたが、蓋を開けてみるとシーズンを通して大勢のファンが会場に訪れました。

「本当にびっくりしましたね。卓球だと日本での試合はだいたい東京開催なので、地理的に来られない方もたくさんいらっしゃったと思うんです。それがTリーグでは各地で試合することができて、地方でも応援してくださる方が多いことが実感できました。地域の暖かさを感じられたことが、とくにうれしかったです。

 Tリーグが続いていく中で、さまざまな地方で試合をすることは、私の夢でもあります。どの地方に行っても応援していただけるように頑張りたいです」

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