Tリーグ初代王者を占う後半戦。男女の優勝争いでカギになるのは? (3ページ目)

  • 佐藤主祥●取材・文 text by Sato Kazuyoshi
  • photo by Tsukita Jun/AFLO SPORTS

 となれば、上位2チームのどちらが先に一歩抜け出すかが後半戦のポイントになってくるわけだが、注目すべきは両チームの「エース格以外」の選手だ。

 個人ランキングを見るとわかる通り、アビエル神奈川は11勝2敗で1位の石川佳純と、10勝3敗で3位の袁雪嬌 (エン・シュエジャオ)の"ダブルエース"が絶対的な柱となっており、対する日本生命は10勝無敗で2位の早田ひなと、試合数は少ないが4勝無敗で8位の平野美宇がいずれも勝率100%で好調を維持。この両軸がチームを支えている。

 要するに、勝利を計算できるこのエース格以外で、勝てる選手をいかに多く生み出すことができるか。これが優勝の行方を大きく左右するカギになるだろう。

 アビエル神奈川の候補としては、浜本由惟の名前が真っ先に挙がる。彼女は前半戦で5勝3敗とまずまずの成績を残し、卓球全日本選手権の女子シングルス5回戦では、史上初の2年連続3冠を達成した伊藤美誠(スターツ)を苦しめた。2-4で敗れはしたが、第1、3ゲームを奪取し、一時はゲームカウント2-1とリードする場面も。悔し涙を流したが、調子のよさを感じさせる試合内容であったことは間違いない。そんな浜本には石川、袁に続く"3本目の柱"としての活躍に期待がかかる。

 日本生命の「みうひな」ペアに続く戦力としては、常晨晨 (チャン・チェンチェン)、森さくら、前田美優がいずれも3勝を挙げる働きを見せている。誰しもが看板選手に化ける可能性を秘めているため、この分厚い選手層はアビエル神奈川にとって脅威だろう。この3人の勢いがさらに加速することになれば、Tリーグ女王への道が拓けてくるはずだ。

 Tリーグでは2018-2019シーズンのプレイオフ・ファイナルの開催日・会場が決定。男女同日で3月17日の開催となり、会場は開幕戦で使用された両国国技館に決まった。

 開幕以来となる"大相撲の聖地"に戻ってくるチームはどこになるのか。そして、初代チャンピオンの栄冠を勝ち取るのは。その歴史的瞬間を、見逃してはならない。

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