琉球アスティーダ早川代表が語る「初年度は2位でいいんです」の真意 (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO SPORT

 また、YouTube日本スポーツ部門チャンネル登録者数1位の卓球ユーチューバーの「ぐっちぃ」こと山口隆一が入団し、狂言師の善竹富太郎(ぜんちく・とみたろう)とも契約した。

 12月3、4日のTリーグ、ホームゲームではいろんな仕掛けを考え、「もっとファンを楽しませていきたい」と早川代表はやる気満々だ。ファンを楽しませるのが第一だが、スポーツをエンターテイメント化して興業としての収益化を高める狙いもあるのだ。
 
「琉球から世界へ」を合言葉にいろんな仕掛けを考えていると語る琉球アスティーダの早川周作代表「琉球から世界へ」を合言葉にいろんな仕掛けを考えていると語る琉球アスティーダの早川周作代表 琉球アスティーダを盛り上げる構想は、卓球単独ではない。すでにJ3のFC琉球とパートナーシップ契約を結んだ。サッカーとバスケットボールが沖縄ではプロスポーツとして先行しているが、早川代表は同じ土俵で争うのではなく、共栄共存をめざし、オール沖縄ともいえるスポーツサークルをつくろうとしている。

「僕は『敵をつくるよりも今はともに生きる時代だよ』って社員によく言うんですが、沖縄はまさにそうです。FC琉球、琉球ゴールドキングスとファンを奪い合うのではなく、一緒に成長していく。たとえば3チーム共通のチケットをつくって、今日はアスティーダの試合がないからキングスの試合を観にいこうとなるのが理想です。スポーツというカテゴリーのなかで食い合うのではなく、ともに生きることで地域連携、地域創生につながっていくと思います」

―― アジア各国との交流も琉球の強みになりそうですね。

「強い中国選手を呼びたいですね。ロンドン五輪金メダルの張継科(ツァン・ジーカー)選手とか(笑)。契約できれば毎試合、中国から500名ぐらい沖縄に来る。琉球の知名度が中国全土に広がるし、その経済効果は契約金の数倍になる。それは自分たちにしかできないので、人事交流も含めて中国を始め、他国とのパイプを作っていきたいですね」

―― Tリーグ元年、チームの目標は優勝でしょうか。

「いや、2位ですね」

 早川代表は、意味深な笑みを見せた。

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