世界レベルに挑む女子日本代表2人。「ホッケーでやりきった人生」に (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO, Nataka Toru

 昨季、彼女は27歳で迎えたリオオリンピックをあきらめてまでオランダリーグを選んだだけに、当初は「東京オリンピックへの想いに霞(かす)みがかっていた」と言う。しかし、今は違う。東京オリンピックは及川にとって、明確な目標となっている。

「1年前の私はただただ、オリンピックよりオランダに行きたい気持ちのほうが強かった。だけど周りからは、『オランダに行って4年後の東京オリンピックでがんばってね』って言われるじゃないですか。だから私も、『(生返事のように)はぁーい』と答えていたんです。

 でも、オランイェ・ロートのチームメイトがU21オランダ代表として欧州カップで優勝したり、フル代表の選手から優勝メダルを見せてもらったりするうちに、『この人たちと東京オリンピックで戦いたい』という気持ちがドンドン出てきました。チームメイトが私の闘志を燃やしてくれたかな。今は霞みがかっていた東京オリンピックへの想いは晴れてきて、『日本代表としてオランダ代表と戦って、どれぐらいできるか楽しみ』」と思ってます」

 及川にとって、東京は最後のオリンピックの舞台となる。引退後は指導者になりたいというビジョンもある。オランダで学んでいるスキル、戦術、そして人間としての広がりや人脈は、かけがえのない宝物になるはずだ。

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