【卓球】松下浩二が提言。「今こそプロリーグを設立すべき時期」 (4ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by JMPA

―― 選手にとってよりよい環境を作るための具体的な案とは?

松下 今こそ、「プロリーグの発足が必要」だと、私は思います。自国にプロリーグがないのは、世界の強国では日本だけです。今は実業団チームで形成される日本リーグが存在しますが、リオ五輪に出場した選手は誰も所属していません。そのため、国内トップ選手のプレーを観戦できる機会も、ごくわずかしかないのが現状です。

 また、「プロリーグの設立」は選手環境の向上だけにとどまらず、コーチや指導者として、選手が引退した後のセカンドキャリアの受け皿にもなります。1983年以降、世界選手権に出場した経験を持つ男子選手のなかで、引退した3分の1の選手は現在、卓球と関係ない仕事をしています。これは、日本卓球界にとって大きな損失です。

 また引退後、企業に社員として残って働く元選手も多いのですが、卓球に専念していた時間があるだけに、同期の社員とは差がついていることも多く、その能力を存分に発揮できているとは言い難いと思います。さらに、実業団リーグは景気の波に大きく左右され、最盛期に58チームあった実業団チームも、今は28チームに減っています。引退後の生活を含め、選手が卓球に専念できる環境を作るためにも、プロリーグの発足が必要だと思えてなりません。

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