パリオリンピック女子バスケ 黄金世代のドイツに高さを突かれた日本 可能性を信じてベルギー戦ではいつもどおりのプレーを【萩原美樹子の視点】 (2ページ目)
【徹底的にインサイドを攻めた後半のドイツ】
苦しい状況のなか、チーム最多の15得点をマークした髙田 photo by FIBAこの記事に関連する写真を見る 日本はオフェンスが重たいながらも、勝機がありました。
前半終了時は6点のビハインドでしたが、第3クォーターに入ってすぐ、髙田選手の2本の3ポイントで44対44の同点に追いつきます。そしてその後すぐ、どうにも止められなかったサバリが3つ目のファールを犯し、ベンチに下がります。
相手の得点源がコートから消えたのですから、日本としては一気に畳みかけるチャンスです。ところが、スコアを動かしたのはドイツのほうでした。
日本は動きのなかでシュートを決められず、反対にドイツは日本の弱点であるインサイドを徹底的に攻略してきました。
国際バスケットボール連盟のホームページでは、クォーターごとのシューティングのチャートが見られるのですが、第3クォーターのドイツの得点はゴールに近いペイントエリアに集中しています。
前半こそ、このエリアでの攻防は互角だったのですが、この第3クォーター、ドイツのリサ・トマイディスヘッドコーチ(HC)はサバリを欠いたにもかかわらず、ペイントエリアに資源を集中させ、一気に勝負を決めにきました。ドイツは、前半は6本の3ポイントシュートを決めていましたが、後半はゼロ。完全にインサイド勝負に切り替えてきたのです。
トマイディスHCは、カナダ生まれ。2021年までカナダ代表のHCを務め、日本との対戦経験も豊富。日本が嫌がるところを的確についてきた印象です。
ペイントエリアで圧倒的な存在感を示したサバリは33得点をマーク photo by FIBAこの記事に関連する写真を見る
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