渡邊雄太、八村塁の今季の活躍は? NBAイースタンはビッグ3の一角が欠けたネッツに黄信号 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 今オフにパティ・ミルズ、ポール・ミルサップらを獲得した補強の評価も上々。スター選手とロールプレーヤーのバランスがよく、主力のコンディションさえよければ今季は高勝率を残す可能性は高い。

 しかし――。絶対に負けられないシーズンの開幕前、少々意外な形でビッグ3のひとりが離脱している。過去オールスターに7度選出されたアービングが、新型コロナウイルスのワクチン接種を拒否。ネッツが本拠地を置くニューヨークでは、ワクチンを打っていない選手のプレーが許されていないため、アービングはゲームに出場できない事態になった。

 10月12日、ショーン・マークスGMは次のようにコメントした。

「私たちはカイリーの選択の権利を尊重する。現在、彼はその選択によってチームにフルタイムで帯同することが難しくなっている。チームとしては、どんなメンバーであれ"パートタイム"での参加は認められない」

 当初、ネッツはアービングを敵地でのゲームのみの"パートタイム・プレーヤー"として起用するという見方もあったが、マークスGMはこの一件が落ち着くまで、アービングをチームに合流させないことを発表。こうして当面の間、3大スターのひとりが不在ななかでの戦いを余儀なくされることになった。

 10月19日、アービング抜きで臨んだ開幕戦で、ネッツは昨季王者のバックス相手に104-127で完敗。この時期の1敗に大騒ぎする必要はないが、理想的ではないスタートになったことは間違いない。今後、アービングはワクチンを接種してチームに戻るのか。それともニューヨーク州の基準が緩和され、ワクチン未接種でもプレーが可能になるのを待つか。今後の動向に注目が集まる。

 本命視されたネッツがもたつくようであれば、バックスの2連覇の可能性が膨らんでくる。昨季のファイナルMVPに輝いた大黒柱ヤニス・アデトクンボを軸に、ドリュー・ホリデー、クリス・ミドルトンという攻守のバランスがいいコアメンバーは健在。守備の要だったTJ・タッカーが移籍したのは痛いが、ブルック・ロペス、ドンテ・ディビンチェンゾ、ボビー・ポーティス、パット・カナートンといったサポーティングキャストは息が合っており、間違いなく今季も上位に入ってくるだろう。

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